前編では、現代がいかに英語の「独学パラダイス」であるか、そして同時に立ちはだかる「4つの壁」について語りました。
元英語講師として現場で実際に教えていて一番強く感じたこと。それは、どれだけ優れたツールがあっても、最終的には「その人個々人のマインド(考え方や感じ方のクセ)」という一番頑丈な壁にぶつかるということだったんですね。
「そういった部分のフォローは、やっぱり人間にしかできないな」と感じる瞬間も数多くあったんでが、中でも特に厄介なのが、次の3つのマインドブロックでした。
現場で直面する3つの強烈な「心の壁」
- 「やる前の決めつけ(固定観念)」のメンタルブロック 「私は〇〇だから無理」「発音矯正には限界がある/今更遅い・・・」というブレーキが一度かかってしまうと、いくら神ツールを渡したとしても全くエンジンがかかりません。なので、講師が根気強く「大丈夫だよ」「それは関係ないよ」と対話を通してマインドを解きほぐすしかないんです。それで初めて、生徒さんはスタートラインに立てるんです。
- 「ローマ字読み」の強烈な呪縛 日本の学校教育で最初に刷り込まれる「ローマ字」の弊害はなんとも根深いです。基本、英単語を読むのにローマ字は無関係なんですけど、なぜか、自動的にローマ字読みをしてしまうケース、多いです。それが、カタカナ読みのような現象を生んでるんだと思うんですよ。例えば、
aboutを「アバウト」と脳内で漢字のフリガナのように処理する癖がついてしまう、的な。これね、実際の発音を聞いて真似するときにどうしても文字が邪魔をしてくるっていう現象が起きます。なので、なかなか発音の矯正が進まないっていう…。これを解消するには、単純に新しい知識を教えるというより、まずは「長年の癖を矯正するリハビリ」に近い、時間と粘り強さが必要な作業になります。 - 「完璧主義」という最大の敵 「間違えたら恥ずかしい」「文法的に正しくないと話してはいけない」という日本人特有の意識が邪魔をするケース。英語はただの「意思疎通の道具」なのに、長年のテスト教育のせいで「減点されないための試験用英語」でなくてはならない、と、無意識に自分を追い込んでしまうっていう、ね。こうなっていると、いくら講師が「通じれば100点!」「細かいことは気にしない!!」と伝えたところで、長年かけて作られた防衛本能を壊すのはそう簡単には行かないんです。勿体ない!
英語が伸び悩む最大の原因とは?
こうして見ると、英語が伸び悩む最大の原因はもはや「教材やスキルの問題」ではないのでは?って思えてならないんですよ。「過去の成功体験のなさや、教育で刷り込まれた心のブロック」にこそ、根強い原因があると思えて仕方ない。
だからこそ、どれだけAIや無料動画があふれる時代になっても、「大丈夫、伝わってるよ!」「文法なんてちょっとくらい間違えても平気!」と対面で励ましつつ、成功体験を積ませながらメンタルブロックを徐々に外してくれる講師の存在が絶対に不可欠なのではないかと思うわけです。
講師冥利に尽きる「最高の瞬間」
生徒さんのガチガチになった固定観念や完璧主義が、「あ、こんな感じでいいんだ!」とフッと解けた瞬間に立ち会えた時ほど、教える側としてやりがいを感じる瞬間はありません!
完璧な英語じゃなくても、「あ、伝わった!」「私いま英語喋ってる!」という小さな成功体験(勘違いでも大歓迎!)が自信につながり、達成感がぐんぐん育っていく。生徒さん達にこの好循環を生み出せたとき、「よし!!」と心の中でガッツポーズをしてしましたからね~。
特に子どもたちのクラスでは、感動的な出来事がよく起こります。 引っ込み思案だった子が、遊びを通してどんどん発話できるようになり、ふとした瞬間に英語で話しかけてみたら、反射的に英語で返答してくれた時。もう、鳥肌が立つくらい嬉しかったもんです♪まさに講師冥利に尽きる瞬間です。
子どもが英語を「勉強」として意識する前に、遊びの中で英語を「表現するためのツール」として獲得し、意識せずともポンッと口からついて出る。それは、脳の中で「日本語と英語が区別されない状態」になった瞬間とも言えるんですね。どちらも”言語”という括りでは一緒ですから、まあ、当たり前と言えばそうなんですが。
AIやデジタルツールで効率よくインプットしつつ、人との関わりの中でしか得られない成功体験を積むことで、どんどん自分流の英会話を身に付けていく。そんなワクワクする場面をこれからもたくさん作っていけたら最高だなと思う今日この頃です!
